蔵元16社、ニューヨークで日本酒を売り込む


東日本大震災で被災した「酔仙酒造」の「KIBO」も

蔵元16社、ニューヨークで日本酒を売り込む

米国の地元業者に売り込む酔仙酒造の和田浩之販売課長(左)=17日、ニューヨーク市(時事)

 米国で日本酒を売り込むためのイベントが17日、ニューヨーク市内で開かれ、東日本大震災で被災した「酔仙酒造」(岩手県陸前高田市)など日本の蔵元16社が参加し、自慢の商品をアピールした。

 津波で建物を流された酔仙は、早期再開を求める地元の声に押される形で、被災から半年後には醸造を再開。国内市場が成熟化する中、海外に活路を見いだそうと、米国系業者の協力を得て14年9月から米国向けに純米酒の輸出販売を始めた。

 酒には、復興への思いを込めて「KIBO(希望)」と命名。この日の会場では、酔仙のブースの前で地元業者が熱心に説明に聞き入り、商談もまとまった。同社の和田浩之販売課長は「これを足掛かりに販売を広げていきたい」と抱負を語った。

 「招★酒造」(京都市)は、米国市場への新規参入を目指して参加。木村紫晃社長は「米国は高級酒が売れ、大きな市場。挑戦していきたい」と述べた。

 拡大基調が続いていた日本酒の輸出は昨年、数量ベースでほぼ横ばいにとどまった。輸出イベントを共催した日本酒造組合中央会の三浦正善信用保証事業部長は「浸透にはまだ時間がかかる。供給ルートを着実に広げていきたい」と語った。(ニューヨーク時事)

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