文化庁、人間国宝の伊藤赤水さんらに感謝状
工芸技術記録映画上映会で
重要無形文化財に指定されている工芸技術の記録映画を企画製作する文化庁は、平成25年度に製作された4作品の上映会を5日、東京・霞が関の文部科学省で開いた。作品は「無名異焼-五代伊藤赤水のわざ-」「瀬戸黒-加藤孝造のわざ-」「名塩雁皮紙-谷野剛惟のわざ-」「細川紙」。
「無名異焼-」は新潟県佐渡市在住の人間国宝、五代伊藤赤水さん(重要無形文化財「無名異焼」<各個認定>保持者)の記録。佐渡産の無名異という土を素材に、練上の技法を用い、線紋の大鉢を製作してゆく工房での息詰まるような時間をつづった。また無名異だけでなく佐渡で産出の岩石を材料に、新たな造形に夢を馳(は)せて生きる姿を追っている。
他作品も瀬戸黒、名塩雁皮紙、細川紙の各重要無形文化財の保持者(細川紙は団体が保持)の製作活動と日常を描いている。
上映に先立ち、青柳正規文化庁長官は「すばらしい記録映画ができた。日本の優れた工芸技術が世界に紹介され愛好されるとともに、若い人たちがこの世界に多く参画できるようになることを願っている」とあいさつ、伊藤さんらに感謝状が贈られた。