エボラ出血熱「国際的な支援の継続が必要」
厚生労働省でシエラレオネから帰国の研究者が記者会見
エボラ出血熱の感染拡大が続く西アフリカのシエラレオネで、情報分析などの活動に従事した国立感染症研究所の有馬雄三主任研究官(36)と島田智恵研究員(46)が12日、厚生労働省で記者会見し、支援の必要性を訴えた。
2人は10月20日から約1カ月間、世界保健機関(WHO)の要請でシエラレオネに派遣され、最初に患者が確認された北東部の県で活動。情報管理室を立ち上げ、収集した患者や感染経路などの情報を同国の対策本部と共有する体制をつくった。
その結果、感染者数の変動が分かり、遺体を清めた水を自分の体に掛ける現地の習慣が主な感染原因であることなども判明。必要な物資の供給などの対策が取れたという。
島田研究員は電気も水道もない現地の状況を報告。「まだまだ国際的な支援が必要で、インフラの整備など日本ができることはたくさんある」と話した。
WHOの集計によると、エボラ熱の感染者(疑い例含む)は12月9日時点で計1万8152人、死者は6566人。うちシエラレオネは感染者8014人、死者1875人に上る。