新十両の阿武咲、恩人への感謝を胸に土俵へ


武器はスピードと瞬発力、速攻を磨く

新十両の阿武咲、恩人への感謝を胸に土俵へ

新十両に昇進した阿武咲。来年初場所で全力を尽くす構え

 来年1月の大相撲初場所(11日初日、東京・両国国技館)で、阿武咲(18)本名打越奎也、青森県出身、阿武松部屋が新十両として土俵に立つ。昭和以降では10番目の年少昇進。「前に一気に攻める相撲を磨きたい」と意気込んでいる。

 相撲を始めたきっかけは小学校入学前、祖父の清範さんに手を引かれて青森県中泊町の道場を訪ねたことだった。めきめき頭角を現し、同町の中里中2、3年で全国都道府県中学生選手権の無差別級を連覇。青森・三本木農高1年だった2012年に国体の少年個人を制し、高校を中退してプロ入りした。

 その後の歩みも順調で、13年初場所の初土俵後、すべての場所を勝ち越し。東幕下3枚目で迎えた先の九州場所は5勝2敗で昇進を決めた。

 武器はスピードと瞬発力。技もあるが師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)は「うまさはある程度封印し、一番力の出る相撲を磨かせたい。相手の中に入り、はずで一気に持っていくように」とアドバイスしている。

 清範さんは阿武咲が小学5年生だった時に他界。その祖父を思い出しながら「化粧まわし姿を見せたかった。(天国で)喜んでくれるように頑張りたい」と話した。

 中学2年で出た少年相撲大会、第1回白鵬杯の団体優勝メンバーとあって「横綱(白鵬)にはその時から声をかけていただいている。目標にして頑張りたい」とも。恩人への感謝を胸に、全力を尽くす覚悟だ。