「今こそ敬天愛人の遺訓を学べ」


西郷生誕187年祭を開催、東京・上野公園に300人集う

「今こそ敬天愛人の遺訓を学べ」

西郷隆盛銅像の前で、奄美の島踊りを奉納する婦人たち=7日午前、東京・上野公園で

 鹿児島に生まれた偉人、西郷隆盛の生誕187年祭が7日午前、東京・上野公園の西郷銅像前で開催され、銅像前の会場に親族や関係団体、在京鹿児島県人など約300人が集まった。

 西郷は文政10(1827)年12月7日に鹿児島加治屋町に生まれた薩摩藩士。江戸城の無血開城をはじめ幕末維新史の中で数々の偉業を残し、明治維新の立役者と言われる。

 生誕祭は、西郷の遺訓を学ぶ「敬天愛人フォーラム21」が主催し、平成14年から毎年12月に開催、今年で12回目を迎えている。

 式典は、国歌「君が代」を神奈川大学吹奏楽部の伴奏で全員が斉唱して開始。同県薩摩川内市の八幡神社から参加した日笠山正治宮司によるお祓いの後、主催者の内弘志代表世話役が祭文を奏上した。

 この中で内代表は「明治維新の大業は、西郷先生が誰にでも慈愛を持って接し、国家の安寧のために努力してきたたまもの」と力を込めて語った。

 そして先月7日に、鹿児島市と旧庄内藩の山形県鶴岡市が兄弟都市締結45周年式典を鶴岡市で開催したことを紹介。「旧庄内藩の方々が、どれほど西郷先生を慕い敬慕しているかがよく分かりました」とたたえた。

 146年前の戊辰戦争の戦後処理で、西郷が旧庄内藩の人々に人道的かつ誠意をもって接したことが、今でも多くの人々に感謝されているゆえんである。

 内代表はまた「西郷先生の思いは、世界中すべての国と仲良く平和に生きることだと思います。経済がすべてに優先する現代社会にこそ西郷先生の精神『敬天愛人』の教えを学び、実践することで社会に貢献できる」と語り、今後も活動の継続を誓った。

 式典では、銅像前で詩吟や奄美の島踊り、埼玉鹿児島県人会による踊りなどが次々と奉納された。