竹久夢二の直筆原稿の童話や詩12点を発見


童謡詩人で福山市出身の葛原しげるへの書簡8点も

竹久夢二の直筆原稿の童話や詩12点を発見

新たに見つかった竹久夢二の原稿と書簡=6日午後、広島県福山市の菅茶山記念館

 大正ロマンを代表する画家で詩や童謡も手掛けた竹久夢二(1884~1934年)の直筆原稿や書簡など20点が新たに見つかったと、菅茶山記念館(広島県福山市)などが6日発表した。記録が残っていない時期の手紙もあり、夢二の足跡を知る貴重な記録という。

 竹久夢二美術館(東京都)の石川桂子学芸員によると、原稿は夢二の子供時代やふるさとを題材にした童話や詩12点。「夕日」で知られる童謡詩人で、福山市出身の葛原しげるが編集を担当していた雑誌「少年世界」などに掲載された。

 書簡8点は1912~13年にしげるに宛てたもの。童話の挿絵について「単純な線で複雑な内容を表現するのと空疎な観察を統一のない粗雑な線でごたごた所謂(いわゆる)こまかくかくのとは別」と思いをつづるなどしている。

 しげるの孫、葛原眞さん(66)が6月に東京都内の実家で発見。7日から来年2月22日まで菅茶山記念館で展示される。