トヨタが究極のエコカー「ミライ」を来月発売


世界初の燃料電池の市販車、補助金支給でFCV普及へ

トヨタが究極のエコカー「ミライ」を来月発売

燃料電池車(FCV)「ミライ」を披露するトヨタ自動車の加藤光久副社長=18日午前、東京都江東区

 トヨタ自動車は18日、走行中に二酸化炭素を出さず、「究極のエコカー」とも呼ばれる燃料電池車(FCV)「ミライ」の発売を12月15日とすると発表した。市販車としては世界初で、販売価格は723万6000円(北海道、沖縄は除く)。当初は国内で、来夏以降に、欧米などで順次販売を開始する。2015年末までの販売目標は約400台。

 加藤光久副社長は18日の発表会で、「ミライは(ハイブリッド車の)プリウスを超えるさらなるイノベーション(革新)の幕開けだ」と強調。ミライの普及により、水素を使って電気をつくる「水素社会実現に貢献したい」と抱負を述べた。FCV購入者には国から202万円の補助金が支給されることになっており、国家戦略としてFCV普及を後押しする。

 トヨタは当初、発売時期を来年3月末までとしていたが、年内に前倒ししたことで、1997年に他社に先駆けて投入し、大ヒットした「プリウス」と同様、市場をリードしたい考えだ。ホンダも17日にFCVを15年度中に発売すると発表しており、「次世代エコカーの本命」と言われるFCVの普及が今後、本格化する見通しだ。ただ、普及には燃料を供給する水素ステーションなどインフラ整備が課題となる。