苦境切り抜けた錦織圭、準決勝へ進出
アクシデントにも踏ん張る、ATPファイナル1次リーグで
4強入りを懸けた一戦を前にして、錦織に思わぬアクシデントが降りかかった。対戦予定のラオニッチが負傷棄権し、補欠で繰り上がったフェレールと対戦。頭と心を切り替える時間はほとんどなかっただろう。そんな苦境を切り抜けた。
今大会初のフルセットとなり、いきなりフェレールのサービスゲームをブレーク。ここから4ゲームを連取して一気に走った。今年はここまでフルセットにもつれ込んだ試合で20勝2敗と驚異の勝率。土壇場での勝負強さは、健在だった。
第1セットは先にブレークしながら落としたが、踏ん張った。続く第2セットは出だしで鮮やかにブレーク。バックのパッシングショットで主導権を握ると深いストロークで追い込む。そのままリードを保って奪い返し、流れは変わった。
フェレールには今季3戦全勝だったが、全てフルセット。2週前のマスターズ・パリ大会準々決勝では、第2セットのタイブレークで2-5と瀬戸際まで追い込まれながら逆転し、自力でファイナル進出を引き寄せた。一筋縄ではいかない相手を、大一番でまた振り切った。(ロンドン時事)