海上自衛隊が戦没者遺骨137柱を初めて輸送
練習艦隊がソロモン諸島のガダルカナル島から
ソロモン諸島のガダルカナル島で収集された戦没者遺骨を載せた海上自衛隊の練習艦隊が24日午前、東京・晴海埠頭(ふとう)に帰港した。海自艦艇が戦没者遺骨を持ち帰るのは初めて。
ガダルカナル島は太平洋戦争の激戦地で、旧日本軍の約2万2000人が戦死した。厚生労働省によると、同島での遺骨収集は1954年度に始まり、これまでに約1万5200柱を収容している。
今回運ばれた遺骨は137柱で、同島の密林で収集された。練習艦隊の寄港時期が政府の収集活動と重なったため、遺族会の要望を受けた厚労省が防衛省に協力を依頼した。
晴海埠頭では同日、引き渡し式が行われ、海自隊員が遺骨を厚労省職員に手渡した後、参列者が黙とうし献花した。
同島で戦った金泉潤子郎さん(95)東京都板橋区は「食料もないひどい戦いで、生き残りはほとんどいなかった。遺骨を迎えられて感無量だ」と話した。
練習艦隊は海自の若手幹部ら約720人で、5月に練習艦「かしま」など3隻に分乗して遠洋練習航海に出港し、13カ国を訪問。ソロモン諸島への寄港は初めてで、9月19日に現地で遺骨を受け取った。
遠洋練習航海は、海自幹部候補生学校を卒業した若手幹部の実習を目的に、57年に始まった。