テレビメーカー、「4K」製品の品ぞろえを強化


年末商戦で巻き返し狙う

テレビメーカー、「4K」製品の品ぞろえを強化

パナソニックの4K対応テレビ「ビエラAX900シリーズ」=9月25日、東京都江東区

 国内のテレビメーカー各社が、高精細な「4K」テレビと関連商品の品ぞろえを強化している。消費税増税前の駆け込み購入の反動で薄型テレビの販売が低迷する中、高価格で利幅が大きい4Kを年末商戦で売り込み、巻き返しを狙う。

 パナソニックは17日、4K関連では過去最多となる新製品7機種を発売。「ビエラAX900」には、リモコンを使わずに画面に話し掛けるだけで電源やチャンネルの操作ができる機能を搭載した。三菱電機は初の4Kテレビとして、画質だけでなく音質にもこだわった「リアルLS1」を今月末に投入する。

 ただ、両社の4Kテレビは、ソニーやシャープの既存製品と同じく、4K放送の視聴には別売りの受信機(チューナー)が必要だ。これに対し東芝が今月発売した「レグザZ10X」は、国内メーカーでは初めて4K受信機能を内蔵した。

 一方、4Kテレビで国内シェア約50%のソニーは、4万円前後と手頃な価格帯で専用チューナーを発売し、4Kの普及を図る。既に4Kテレビを販売しているシャープは、フルハイビジョン対応ながら4K並みの画質が楽しめる「アクオス クアトロンプロXL20」を投入する。

 電子情報技術産業協会(JEITA)が21日発表した統計によると、4~9月の薄型テレビの国内出荷台数は232万5000台と前年同期比4・2%減少した。ただ50型以上に限ると、出荷台数は3割超伸びた。大きい画面ほど4Kの高精細な画質が引き立つため、メーカー各社は「大型テレビを求める動きが4Kの購入につながる」(ソニー)と期待している。