訪朝団の派遣「やめてほしい」


拉致被害の曽我ひとみさんが署名活動

訪朝団の派遣「やめてほしい」

北朝鮮による拉致被害者らの早期救出を訴えるパンフレットを手渡す曽我ひとみさん(右)=12日、新潟県佐渡市

 北朝鮮による拉致被害者曽我ひとみさん(55)が12日、新潟県佐渡市で拉致問題の署名活動を行った。拉致被害者らの再調査の現状を確認するため、政府が訪朝団の派遣を検討していることについて、曽我さんは「個人的には不安だ。やめていただきたい」と話した。

 取材に応じた曽我さんは「北朝鮮からはっきりした調査結果が出た後ならいいが、今の状況での派遣は反対というか心配」と懸念。再調査の報告が先送りされている現状に「腹立たしく思う。どうしたら一日も早く解決するだろうと毎日考えている」と憤った。

 曽我さんの帰国から15日で丸12年を迎えるが、一緒に拉致された母ミヨシさん失踪当時(46)の安否は不明のまま。市内の介護施設で働いている曽我さんは「この12年、うれしいことも大変なこともあった。今はお年寄りを母の姿と重ねながら、一生懸命介護しています」と語った。