JR東海が東京や新大阪など4駅で記念式典


東海道新幹線開業から50年、時速270キロで日本の大動脈に

JR東海が東京や新大阪など4駅で記念式典

東海道新幹線が開業から50年を迎え、行われた記念式典=1日午前、JR東京駅

 東海道新幹線は1日、開業から50周年を迎えた。JR東海は東京や新大阪など4駅で記念の出発式を開催。両駅からは午前6時、始発の「のぞみ号」がそれぞれ定刻通りに出発した.

東京五輪を控えた1964年のこの日に開業した東海道新幹線は、当時最速の「ひかり号」が東京-新大阪間を4時間で走行。だんご鼻の0系車両が最高時速210キロで駆け抜ける姿は、日本の戦後復興を強く印象づけた.

現在の最高時速は270キロに向上。最新型車両N700Aが両駅間を2時間25分で結ぶ。高い安全性と正確なダイヤを維持する東海道新幹線は、毎日42万人が乗車する日本の大動脈に成長した.

東京駅のホーム上では同日早朝、乗務員に花束が贈られ、くす玉が割られた。下山田稔駅長が出発合図を送ると、のぞみ1号は半世紀前の1番列車と同じ19番線から博多駅に向けて滑り出した。JR東海の柘植康英社長は「安全はわれわれの喜び。今後も十分注意して運転したい」と話した.

50年前にも1番列車に乗ったという賀村進一さん(66)は「200キロを超えてもコーヒーがこぼれないほど安定していた」と懐かしんだ。当時と同じ座席の切符を手に、「これからもよろしくお願いしたい」と語り、のぞみ1号に乗り込んだ.

新大阪駅でも午前6時、上りの「のぞみ」が発車。出発式には、開業初日に東京発の「ひかり1号」を運転した山本幸一さん(故人)の長女寺嶋悦子さん(54)の姿があった。「父がハンドルを握ったことを思うと涙が出てきた。安全を祈り思わず手を合わせた」と声を詰まらせながら話し、列車を見送った。