一連の朝日新聞の問題について、同紙の…
一連の朝日新聞の問題について、同紙の紙面審議会(19日)で交わされた4人の委員の発言は同紙26日オピニオン面で公表されている。委員の一人、奥正之氏(三井住友フィナンシャルグループ会長)の批判や提言は、良識に裏打ちされた正論である。
その一つは「9月11日の木村伊量(ただかず)社長の謝罪の記者会見は、吉田調書についての謝罪が主で、従が慰安婦問題だった。事の重さからすれば主従が逆ではないか」というもの。
ついでに謝罪した印象が強い慰安婦報道は、32年前から言い立ててきた「慰安婦の軍による強制連行」の証言が虚偽と判断し、16本の当該記事を取り消したという問題である。謝罪会見で、その朝日による検証特集(8月5、6日)の甘さが指摘されると、木村社長は「(検証記事の)内容には今でも自信を持っている」と応じた。
だが、検証は社長の自信を砕き、朝日の調査能力の目を覆うばかりの劣化を白日のもとにさらす結果となった。
昨日、朝日は吉田清治氏が講演で行った虚偽証言を最初(1982年9月2日大阪本社版)に報じたのは、大阪社会部の元記者ではなかったと検証記事を訂正した。元記者はパスポート履歴から、講演のあった9月1日に国内にいなかったことが確認されたからだ。
訂正記事の訂正というみっともない新事態を前に、第三者委員会の調査結果をただ待つのではなく、各メディアは検証記事の徹底検証を行う必要が出てきた。