「現代のテレシコワ」、宇宙へ


17年ぶりロシア女性飛行士

「現代のテレシコワ」、宇宙へ

ロシアで17年ぶりの女性宇宙飛行士エレーナ・セロワさん=24日、カザフスタン・バイコヌール(EPA=時事)

 ロシアの宇宙飛行士エレーナ・セロワさん(38)ら3人を乗せたロシア宇宙船「ソユーズTMA14M」がモスクワ時間26日午前0時25分(日本時間午前5時25分)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げに成功し、宇宙大国のロシアで実に17年ぶりに女性飛行士が誕生した。

 ソ連・ロシアは「(私は)カモメ」のコールサインで有名な世界初の女性飛行士ワレンチナ・テレシコワさん(77)を1963年に輩出した。ただ、女性を宇宙に送り込むのは4人目で、米国の10分の1に満たない。セロワさんは、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在するロシアの女性第1号となる。

 ロシアで女性飛行士は97年を最後に途絶えており、セロワさんは「現代のテレシコワ」ともてはやされている。ロシア宇宙庁が長らく調達しなかった女性用の宇宙服も注目されている。報道によると、船内服は色違いの15種類を用意し、セロワさんの「おしゃれ心」に配慮した。小ぶりの靴下も全て特注した。

 ソ連・ロシアに女性飛行士が少ないのはなぜか。テレシコワさんはかつて「(ソユーズ1号死亡事故などで)女性の宇宙飛行計画は延期され、予算も削減されて女性飛行士グループが解散した」と証言した。こうした歴史の中でセロワさんは「宇宙に行くのがずっと夢だった」と語り、夫と娘の支えもあって実現させた。(モスクワ時事)