JAXAが発表、南極海氷面積3年連続最大
NASAなどが発表、北極は観測史上6番目に小さく
南極大陸を取り巻く海氷の面積が、3年連続で衛星による観測史上最大を更新したと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が25日までに発表した。一方、北極海を覆う海氷の面積は観測史上6番目に小さくなったと、米航空宇宙局(NASA)などが発表した。
9月半ばは南極では冬、北極では夏の終わりに当たり、海氷面積が1年でそれぞれ最大、最小となる。両極の氷は地球全体の気候に大きな影響を与えており、長期的な温暖化傾向との関係の解明が期待される。
JAXAが水循環変動観測衛星「しずく」で観測した20日の南極海の海氷面積は2012万平方キロと、衛星観測が始まった1970年代後半以降で最大となった。昨年9月時点の記録に比べ、日本列島の約1・6倍に相当する62万平方キロ分、上回った。
これに対し、NASAなどが衛星観測データを解析した17日の北極海の海氷面積は502万平方キロ。観測史上最小だった2012年9月よりは大きいが、減少傾向が続いている。
北極海の海氷面積が減少すると航路が開け、海運コスト削減に役立つが、異常気象の発生や生態系への悪影響が懸念されている。