17歳の渡部が堂々の金、成長の階段また一歩
アジア大会、競泳陣がメダルラッシュ
伸び盛りの17歳がまた一歩、階段を上った。競泳女子期待の渡部が200メートル平泳ぎで金メダル。初出場の大舞台で存在感を示した。
日本記録の更新を狙ってスタートから飛ばした。50メートルをトップでターン。伸びやかな泳ぎで前に出ると、苦しくなった後半も懸命に水をかいた。「手も足も伸びなくなった。最近の中では一番きつかった」。目指していた記録には届かなかったものの、金藤の追い上げを振り切って金メダル。最高の結果を残したとはいえ、「後半へばったから、また練習が必要」と貪欲なところを見せた。
ロンドン五輪や世界選手権では力を出せず、不振に陥った昨年は練習にも身が入らなかった。指導する竹村吉昭コーチからは「集中して力を出せばもっとできる。つらいときこそ、笑顔でいなさい」と教えられた。気持ちのコントロールの大切さ。恩師の言葉をかみしめながら、また競技者としての成長の歩みを取り戻したという。
女子競泳陣は4年前の広州大会で金メダルなしの「惨敗」に終わった。「これからの自信になる。日本チームにいい流れができてよかった」。高かったアジアの壁を、ホープが力強く吹き飛ばしてみせた。(時事)