「バナナの皮はなぜ滑る?」を実験で解明


北里大チームにイグ・ノーベル賞、ハーバード大で授賞式

「バナナの皮はなぜ滑る?」を実験で解明

イグ・ノーベル賞授賞式の会場で取材に応じる北里大の馬渕清資教授=18日、米マサチューセッツ州ケンブリッジ(時事)

 ユーモラスで独創的な研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の2014年の授賞式が18日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で行われ、「バナナの皮を踏むとなぜ滑りやすいのか」を実験で解明した北里大医療衛生学部の馬渕清資教授(63)らのチームが物理学賞を受賞した。

 日本人のイグ・ノーベル賞受賞は8年連続。馬渕教授らは、バナナの皮の内側にたくさんあるゲル状物質を含んだカプセルのような極小組織が、靴で踏まれた圧力でつぶれ、にじみ出た液体が潤滑効果を高めることを突き止めた。

 数値が低いほど滑りやすいことを示す摩擦係数は、内側を下にした皮の上からリノリウムの床材を踏んだ場合、床材を直接踏んだ時の6分の1しかなかった。

 馬渕教授は医療工学専門で、人工関節の潤滑などを研究。関節の軟骨とバナナの皮の摩擦低減の仕組みには共通点があると見ている。取材に対し「バナナの皮が滑りやすいのは自明のことだが、それを科学的に立証できた」と話した。

 今年はこの他、シロクマに「変装」した人間をトナカイが見た時の反応を調べたノルウェー人チームが北極科学賞を受賞するなどした。(ケンブリッジ〈米マサチューセッツ州〉時事)