再建目指す団体球技、東京五輪の重要課題
20年への出発点のアジア大会、ライバルとの力関係を確認
日本オリンピック委員会(JOC)が掲げる2020年東京五輪の目標は「世界3位の金メダル獲得数と全競技入賞(8位以内)」。これを達成するには、苦戦が続く団体球技の強化が欠かせない。仁川アジア大会はライバルとの力関係を確認し、世界のトップと競うための課題を洗い出す重要な場所となる。
バレーボールの男子日本は昨年、世界選手権アジア最終予選で敗れて初めて本大会出場を逃した。今年のワールドリーグも1勝11敗の惨敗。再建を託された南部正司監督(46)は世界ランキング1位のブラジルに何度も出向き、強化策を学んできた。「日本の長所をもう一度、世界一のものに高めたい」。レシーブなどの守りを固めた粘り強いバレーの復活。アジア大会優勝を就任1年目の目標に掲げている。
バスケットボール男子は1976年モントリオール大会を最後に五輪出場がなく、昨年のアジア選手権では9位に沈んだ。加えて国内リーグの分裂問題があり、20年東京五輪の開催国枠すら危うい状態。長谷川健志監督(54)は「日本にどういう問題があるか、どう戦うかを明確にする年にしたい」。6月には韓国合宿を実施。似た体格ながら力のある同国代表を研究し、スピードの強化にポイントを絞った。
ハンドボール男子は10年広州アジア大会で銅メダルを獲得したが、五輪に関しては88年ソウル五輪後、一度も出場していない。松井幸嗣監督(57)が掲げるテーマは「走り続けること」。チームには若手の中にベテランの宮崎大輔を招集し、「それぞれの良さを生かして、いいバランスにしたい」と言う。合宿でも走る量を増やしてスタミナ強化を図った。