長引くマック離れ、期限切れ肉問題1カ月
ケンタッキーフライドチキンでも、ファミリーマートは回復
中国の食品会社「上海福喜食品」が消費期限切れ肉を使用していた問題が明らかになってから20日で1カ月となる。同社製のチキンナゲットを販売していた日本マクドナルドは客足が遠のいたままだ。一方、福喜食品からナゲットなどを仕入れていたファミリーマートは既に販売への影響が解消し、明暗が分かれている。
問題の発覚後、マクドナルドの販売額は前年同期より15~20%減少。現在でも「下げ止まってはいるが、大きく回復はしていない」(広報)という。野村証券の繁村京一郎シニアアナリストは「消費者に安心してもらうのは一朝一夕にはできない」と指摘する。
マクドナルドは今夏、3回に分けて期間限定商品を投入する計画だったが、問題発覚を受けて第2弾はキャンペーンを自粛。第3弾は見直し中で、浮上のきっかけをつかめずにいる。2014年12月期の業績予想を未定に変更したが、3期連続の営業減益は避けられない情勢だ。
問題の影響は日本KFCホールディングスが運営する「ケンタッキーフライドチキン」でも続く。中国の店が福喜食品と取引していたあおりで、日本でも売り上げが一時は約2割低下。現在も発覚前の水準には戻らず、日本KFCは国産鶏肉の使用をアピールし、消費者の呼び戻しに努めている。
一方、ファミリーマートは「直後はフライドチキンなどの売り上げが減ったが、現在は影響はない」(広報・IR部)といい、業績にも影響しない見込みだ。福喜食品との取引がなかったローソンでもチキンの販売が落ちたが、既に元に戻っている。