太陽系外からのちりか、国際チームが発表


米探査機「スターダスト」が宇宙空間で採集、確認なら史上初

太陽系外からのちりか、国際チームが発表

彗星(すいせい)探査機スターダストの想像図。機体上部のテニスラケットのような装置でちりを採集する(NASA提供)

 米航空宇宙局(NASA)の彗星(すいせい)探査機「スターダスト」が宇宙空間で採集したちりのうち、太陽系外から来た可能性がある微粒子が7個見つかったと米カリフォルニア大などの国際研究チームが16日までに米科学誌サイエンスに発表した。今後の詳細分析で確認されれば史上初で、太陽系や生命の起源を探る重要な手掛かりになると期待される。

 スターダストは1999年に打ち上げられ、2000~02年に宇宙空間のちりを採集した後、04年に火星軌道近くでビルト第2彗星に接近して核から放出されたちりを採集。両方のちりの入ったカプセルは06年に米ユタ州に落下し、回収された。

 ちりの採集装置は、アルミニウムの格子状の枠に半透明で軽いシリカエアロゲルが詰まっている。ちりの微粒子は秒速5~15キロの猛スピードで衝突し、ゲルに埋まったり、アルミ格子に当たって超微小な「クレーター」ができた底に残っていたりした。

 太陽系外から来た可能性がある7個のうち、有望なのは直径約2¥外字(b3c1)メートルと比較的大きい2個。かんらん石が含まれており、かつては他の恒星を取り巻くちりの一部だった可能性がある。今後、酸素同位体を分析すれば太陽系外から来たかはっきりするとみられる。

 宇宙に漂うちりは超新星爆発など、恒星が世代交代する過程で放出され、太陽系の材料にもなったと考えられている。一方、彗星や小惑星は太陽系が約46億年前にでき始めた頃の姿をとどめており、ビルト第2彗星のちりの分析成果は06年から相次いで発表されている。