平和宣言、「核兵器ない世界」次世代に
69回目の長崎原爆の日、長崎市の平和公園で「平和祈念式典」
長崎は9日、69回目の原爆の日を迎えた。爆心地に近い長崎市松山町の平和公園で、市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。被爆者や遺族、安倍晋三首相らが参列し、原爆死没者の冥福を祈った。田上富久市長は平和宣言で、「核兵器のない世界」を次世代に引き継ごうと世界に向けて呼び掛けた。
式典には、核保有国では、米仏露中のほか、インドが出席。米国のケネディ駐日大使も6日の広島に続き参列した。参列国は過去最多の48カ国となった。
犠牲者に水と花輪をささげた後、原爆投下時刻の午前11時2分、鐘の音などに合わせて1分間の黙とう。7月末までの1年間に死亡が確認された3355人の名前を記した原爆死没者名簿3冊を奉納した。死没者数は16万5409人となった。
平和宣言で田上市長は、核兵器保有国や日本を含む「核の傘」の下にいる国に対して、核廃絶を目指す国々との協議の場をつくるよう呼び掛け、日本政府には唯一の被爆国として先頭に立つよう求めた。
さらに、憲法に込められた不戦の誓いは、日本と長崎の原点と強調。世界には「次の世代に『核兵器のない世界』を引き継ぎましょう」と呼び掛けた。
続いて被爆者代表が「平和への誓い」を読み上げ、安倍首相があいさつした。