西岡氏「厚労省のミス」、子宮頸がんワクチン被害でシンポ
副反応の基準の見直しを
重篤な副反応が社会問題となり、接種の勧奨が一時中止となっている子宮頸(けい)がんワクチン問題で、医師や弁護士らによるシンポジウム(主催・薬害オンブズパースン会議)が27日、東京都文京区の東京大学で行われた。この中で、東京医科大学の西岡久寿樹教授は副反応にはワクチン接種から短期間で症状が出る即時型と、時間が経過してからの遅延型があり、1カ月以降に発症した症例を副反応でないとしたのは「厚労省の判断ミス」と明言し、診断基準の見直しの必要性を訴えた。
「医薬品の安全監視を考える――『子宮頸がんワクチン』被害からの問題提起」をテーマに行われたシンポジウムで西岡氏は、ワクチン接種の副反応の症状は疼痛(とうつう)、月経障害、睡眠障害、運動障害など多様で、しかも第1回ワクチン接種から発症までの平均日数は6・7カ月だったとして、「厚労省の判断ミスは1カ月で切ったこと」と批判した。
また、副反応の原因については「アジュバンド(免疫増強剤)であることはほぼ間違いない」との認識を示した上で、「HPV(子宮頸がん)ワクチンによって引き起こされた多様な症状の時間的経過の推移はこれまで人類が経験したことのないまったく未知の病気である」と訴えた。詳細なデータについては今年9月、長野県で開催される日本線維筋痛症学会学術集会で発表する予定。
また、シンポジウムの中で、薬害オンブズパースン会議はワクチンの普及活動を行っている「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」がワクチンメーカーから多額の寄付金を受け取っていたことや、その活動にワクチンメーカーの一つ「グラクソ・スミスクライン社」の元ワクチンマーケティング部長が関わっている事実を明らかにした。