歌舞伎の平成中村座、ニューヨークで復活


故勘三郎さんの「魂」継ぎ

歌舞伎の平成中村座、ニューヨークで復活

歌舞伎の平成中村座のニューヨーク公演リハーサルで熱の入った様子を見せる中村勘九郎さん=7日、ニューヨーク(時事)

 歌舞伎の平成中村座が7日、ニューヨークで7年ぶりとなる公演を総合芸術施設リンカーンセンターで行った。一座を立ち上げた歌舞伎俳優の中村勘三郎さんが2012年12月に死去した後、中村座の公演は日本国内を含め初めて。会場はニューヨーカーらの熱気で包まれた。

 平成中村座は、江戸時代の芝居小屋の雰囲気を再現したいとの勘三郎さんの思いから、2000年に上演を開始した。その遺志を歌舞伎俳優で長男の中村勘九郎さん、次男の中村七之助さんが継ぎ、04年、07年に続くニューヨーク公演が実現した。公演を前に記者会見した勘九郎さんは「父の魂がここに生きているんだと思った」と語った。12日まで計8公演を予定している。

 演目は、勘三郎さんが生前、3度目のニューヨーク公演でやると決めていたという当たり役「怪談乳房榎(ちぶさのえのき)」。地元紙ニューヨーク・タイムズは「前列で水しぶきを浴びるのは、珍しい機会のために支払う小さい代償のようだ」と注目している。(ニューヨーク時事)