浅田真央が自然な決断、必要だった心身の充電
来季は休養、復帰はなお「ハーフハーフ」
率直な思いを吐露した。「今までずっとスケート生活を休まず、精いっぱいやってきた。またこれを4年間やれるのかと思うと、ちょっと息抜きが必要だと思った」。浅田が1年間の休養を決めた理由だ。
とりわけバンクーバー五輪からの4年間は濃密だった分、反動も大きかったはずだ。佐藤信夫コーチの下で滑りの基礎から立て直した。最愛の母、匡子さんとの別れもあった。心身ともに激しい浮き沈みを乗り越え、ソチ五輪の会心のフリーで「集大成」を果たした。
「今は全てやり切ったという気持ち」。現時点では、新たな一歩を踏み出すための気力が湧き出ず、次の目標も掲げられない。自然な決断だった。
フィギュア界で休養はそう珍しいことではない。宿敵の金妍児(韓国)も1年半以上休んだ後、ソチ五輪に向けて競技に戻ってきた。「引退」まで思いが振り切らなかったのは、まだ自分自身の中にさらなる可能性を感じているのかもしれない。
「先のことは分からないが、その時の流れに任せればいいんじゃないかというのが今の気持ち。(復帰は)ハーフハーフ」。休養中はアイスショーなどには出演するが、復学した大学での生活が中心になるという。
ジュニア時代から、休まず走り続けてきた。重圧から離れる23歳が自分をどう見詰め直すか、静かに見守るしかない。