スピードスケートの村上右磨、五輪代表確実
遅咲きエースがついに切符、経験生かしレースまとめる
男子500メートルの最後の切符をつかんだのは村上だった。29歳で初の五輪代表。遅咲きのエースは「本当にうれしい」と実感を込めた。
今季のワールドカップ(W杯)で日本勢3番手の好成績を収め、選考会に臨んだ。代表の残り1枠に向け、最も有利な立場にいたが「本当にプレッシャーがかかっていた」。前の組の転倒者が削った氷の整備で、やや進行が遅れたことさえも気になり、「集中しづらい状況」だった。
それでもレースをうまくまとめた。同走の新鋭、森重を得意の出だしで引き離し、100メートルは全体3番目の9秒57。その後はカーブワークが持ち味の21歳に抜かれたが粘り、34秒66でゴール。最も厳しい派遣記録を0秒02上回る一方、代表争いで最大のライバルと目された最終組の松井は村上に及ばなかった。
けがを抱え、調整面で苦労しながらも周囲のタイムなどに惑わされず、11月から今月にかけてのW杯転戦を乗り切った。その経験は未知の重圧がかかる五輪にも生かせるだろう。「もっと良い準備をすれば、自信をもってレースに挑めると思う」と意気込んだ。