日韓トンネルは物流中心で、大矢野教授が講演


推進全国会議が主催、「環日本海物流新幹線構想」を提言

日韓トンネルは物流中心で、大矢野教授が講演

講演する大矢野栄次名誉教授=16日、東京都千代田区(村松澄恵撮影)

 「日韓トンネル推進全国会議」(会長=宇野治・元衆院議員)が主催する講演が16日、都内で行われ、大矢野栄次・久留米大学名誉教授が「アジアの平和と繁栄のための日韓トンネルの実現-環日本海経済圏構想」と題し講演した。

 大矢野教授は同トンネルについて、建設費より維持費に莫大(ばくだい)な資金を要すると指摘した上で、むしろ貨物など物流をメインにした「環日本海物流新幹線構想」を提言。物流を主にすることで、人の往来に焦点を絞った場合よりも収益が大きく、経済的価値が膨らむプロジェクトとなると強調した。

 さらにJR山手線の高収益構造を例に挙げ、日本、朝鮮半島、中国東北部、極東ロシアを環状線のように繋(つな)ぐことで利益が大きくなると展望、東アジアという特定の地域だけでなく、経済投資を促すため米欧も巻き込む必要があるとも訴えた。

 同会議の宇野会長はあいさつで、日韓トンネルの機運が韓国で高まっているのは心強い流れだと述べた。また梶栗正義副会長は、同トンネルが世界に「経済と技術の平準化をもたらす平和構想」だとし、早期実現に向けて意欲を示した。