中部空港滑走路を2本新設、発着能力1.5倍に
愛知県などが会議、東側は2027年度の供用を目指す
中部国際空港(愛知県常滑市)への滑走路建設をめぐり、愛知、岐阜、三重各県と空港会社、地元経済界などでつくる会議が14日、名古屋市内で開かれ、現在の滑走路の東西に2本新設する構想をまとめた。最終的に年間発着能力は現在の1・5倍になる見込みだ。
東側滑走路は2026年度までに工事を終え、27年度にも供用を始める考え。工費は約140億円で、空港会社が負担。県や国が財政支援する。パブリックコメントを経て正式に構想をまとめた上で、実現に向け国との調整を本格化させる。
05年に供用を開始した現滑走路(3500メートル)は経年劣化が進み、大規模な修繕が急務。これまでは空港島の西側を埋め立て、2本目の滑走路を建設する方向だった。西側の埋め立て工事に約15年もかかることから、東側にも新たな滑走路を設け、2本体制の実現を前倒しする。
まず現滑走路の210メートル東側に3290メートルの滑走路を整備し、完成後に現滑走路の修繕を行う。将来的に西側を埋め立て、東側滑走路から760メートル離れた所に3500メートルの滑走路を建設。現滑走路の運用を終え、新滑走路2本体制とする。
現在の発着能力は年間約13万回。東側滑走路が加われば1・2倍、さらに西側滑走路ができれば1・5倍になる見込みだ。
愛知県の大村秀章知事は会議後の記者会見で「グローバル化を進めていく上で、機能の拡充、拠点化は必然であり、不可欠だ」と強調した。