ショルツ独新首相、「欧州の主権」強化を主導
EUトップと初会談、「力強い親欧州政権だ」と歓迎
ドイツのショルツ新首相は10日、ブリュッセルで欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長、ミシェル大統領とそれぞれ就任後初めて会談した。記者会見では「最も重要なのは、強く主権のあるEUだ」と強調。欧州の盟主としてEUの経済や外交における影響力拡大を主導する決意をアピールした。
フォンデアライエン氏は会見で「力強い親欧州政権だ」と歓迎。気候変動対策やデジタル化などの重要政策への後押しに期待を示した。
ロシア軍との緊張が高まるウクライナ情勢をめぐっては、フォンデアライエン氏は「侵略は代償を伴う」と改めてロシアに制裁を警告。ショルツ氏も「国境侵犯に独とEUが対抗するのは明確だ」と述べ、協調姿勢を見せた。
新政権は「欧州連邦」化を掲げ、権限強化に向けたEU改革を進める方針を打ち出している。ショルツ氏は「ドイツには特別な任務がある」と語り、積極的な関与を約束した。特に欧州議会への立法権付与や選挙制度見直しを進めるほか、外交政策では、より機動的に意思決定を行えるよう全加盟国一致ルールの緩和を目指す構えだ。
一方、ショルツ氏は10日、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長とも会談。会見では「共通の安全保障を支えるため全力を尽くす」と誓った。(ブリュッセル時事)