イスラエル、古代遺物95点をエジプトに返還
イスラエル・エジプト両外相が会談、関係良好を誇示
イスラエルのラピド外相は9日、エジプトの首都カイロを訪れ、シシ大統領らと会談した。ラピド氏はシュクリ外相との会談に合わせ、エジプトから違法に持ち出されてイスラエル国内に残っていた古代エジプト文明の貴重な遺物95点を返還。イスラエル考古学庁は「エジプト側の要請を受けた親善行為」と説明し、良好な関係を演出した。
返還されたのは古代エジプトの神を表した像や、色彩画が描かれた木片、ヒエログリフ(象形文字)が彫り込まれた石など。イスラエル国外から持ち込まれたほか、エルサレムの古美術品店で販売されていたため、イスラエル当局が押収して保管していた。
一方、シシ氏との会談では、イラン情勢やパレスチナ自治区ガザの復興策を協議。ラピド氏は「エジプトの特別で中心的な役割への謝意」(外務省)を表明した。エジプトは、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスにパイプを持つ。
エジプトは1979年、アラブ諸国で初めてイスラエルと平和条約を締結。今年9月にはベネット首相がイスラエル現職首相として約10年ぶりに公式訪問し、関係強化が進んでいる。(カイロ時事)