米下院、強制労働防止法案を圧倒的多数で可決
中国・新疆からの輸入が禁止に、「明確な道徳的立場を」
米下院は8日、中国・新疆ウイグル自治区からの輸入を禁止する「ウイグル強制労働防止法案」を賛成428、反対1の圧倒的多数で可決した。
法案は、輸入企業に対して強制労働によって生産されたものでないと証明することを義務付けている。上院ではすでに同様の法案を可決しており、今後両院で調整する。
米国では、トランプ前政権時に少数民族を強制労働させているとして新疆ウイグル自治区産の綿製品とトマトの輸入を禁止。今回の法案では、新疆ウイグル自治区からの輸入自体が原則禁止となる。
法案を提出した民主党のジム・マクガバン議員は声明で「強制労働のために苦しんでいる人々を支えるため、明確な道徳的立場を取るべきだ」と訴えた。
新疆ウイグル自治区は、太陽光パネル製造に欠かせない部材「ポリシリコン」の世界シェアの半分近くを生産している。成立すれば日本にも影響が及びそうだ。
バイデン政権は6日、中国政府による新疆ウイグル自治区でのウイグル族に対する人権侵害などを理由に来年2月の北京冬季五輪に政府関係者を派遣しない「外交ボイコット」を発表。9、10両日に中国など権威主義国家に対抗するオンラインでの「民主主義サミット」が開催されるのを前に、議会も中国の人権問題に厳しく対応する姿勢を示した。(ワシントン山崎洋介)