ヤクルト雪辱、高橋が気迫でオリックスを完封
奥川と刺激し合い成長、シーズン未経験の完投を完封で飾る
前夜に喫した逆転サヨナラ負けの屈辱を振り払うように、ヤクルトの高橋は力いっぱい腕を振った。終盤は一球ごとに気迫のこもった声が出る。「もう、気合で投げました」。133球を投げ切ってレギュラーシーズンで経験のない完投を完封で飾り、チームに貴重な勝利をもたらした。
最速151キロの直球は力があり、110キロ前後のカーブを効果的に使って緩急をつけた。六回は宗、吉田正を連続三振、杉本を三ゴロで仕留めて3人で片付けるなど、宮城との投げ合いで我慢比べになっても踏ん張った。「宮城君もすごい投球をしていたので、自分が先に降りるものか、と思いながらマウンドに立っていた」と振り返った。
負けなしで突破した巨人とのCSファイナルステージでは第1戦で20歳の奥川が完封し、第2戦では24歳の高橋が6回無失点。日本シリーズでも第1戦は奥川が7回1失点。高橋も再び好投で続いた。
高津監督は「若い投手が頑張ってくれるのは大きい。だからシーズン中もヤス(奥川)の次にケイジ(高橋)をわざと投げさせて、高めさせることをよくやってきた」。
刺激し合ってチームに好影響を与えてきた若い2人は、オリックスの二枚看板が相手でもまばゆい光を放った。