HPVワクチン 厚労省 勧奨月内再開


子宮頸がん予防接種 8年ぶり
副反応疑い約3300人も

 子宮頸(けい)がんなどの主因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を予防するワクチンについて、厚生労働省の専門部会は12日、2013年から中止している接種の「積極的勧奨」を再開すると決めた。厚労省は今月中にも、約8年ぶりに勧奨を正式再開し、開始時期などを自治体へ通知する。

 勧奨中止の間、公費による定期接種は維持されたものの、接種を促す個別通知などができないため接種率は低迷。機会を逸したまま対象年齢を過ぎた人への支援が課題となり、同省の分科会が今後、対象拡大のための政令改正を議論する。

 HPVワクチンは、13年4月に定期接種化されたが、接種後に体の痛みなどを訴える声が相次ぎ、同年6月に積極的勧奨は中止された。

 専門部会は今年10月、ワクチンと接種後の多様な症状の関連性は明らかでなく、「積極的勧奨を妨げる要素はない」との認識で一致。この日の部会では、国内外でワクチンの安全性と有効性が示されたと再確認し、再開を了承した。

 ただ、因果関係にかかわらず報告された副反応の疑いは約3300人(1万人当たり9人)に上る。接種後の症状を訴える女性らが国と製薬会社を相手に起こした集団訴訟は、現在も続いている。

 部会では、症状に苦しむ人への支援体制なども審議。大学病院など協力医療機関向けの研修の充実や、地域医療や学校を巻き込んだ相談体制の強化を進めることで一致した。

 厚労省によると、子宮頸がんで亡くなる人は1万人当たり30人。ワクチン接種によってうち最大21人の死亡を避けられると推計されている。