「拉致被害者の全員帰国を」家族ら求める


自民党新総裁に岸田氏選出受け、日朝首脳会談の実現を

「拉致被害者の全員帰国を」家族ら求める

報道各社の取材に応じる拉致被害者家族の横田早紀江さん=29日午後、川崎市

 自民党新総裁に岸田文雄氏(64)が選出されたことを受け、北朝鮮による拉致被害者の家族からは29日、日朝首脳会談を早期に実現し、被害者の全員帰国に取り組むよう求める声が上がった。

 横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母早紀江さん(85)は川崎市内で取材に応じ、「(拉致問題の発覚以降)総理が何人代わったか分からない。どの方にも期待してきたが、解決しなかった」と嘆息。問題の長期化に「こんなにひどい話はない。死んでも恨みが残ると思うくらいです」と述べ、岸田新総裁には日朝首脳会談の実現を「一番にやってもらわないといけない」と求めた。

 田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(83)は、報道各社の代表取材に「岸田さんにお願いしたいのは、まずは拉致被害者の全員帰国」と強調。「『私の手で拉致問題を解決する』とはっきり意思表示し、いつ帰国するのかといった具体的な計画を示し、動いてほしい」と注文した。