EUのボレル外相、台湾と「協力を深める」
中国の王毅外相に説明、人権対話再開の必要性を訴え
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は28日、中国の王毅外相とテレビ会議形式で会談した。台湾について、「一つの中国」原則を今後も維持すると明言した一方で「同じ考え方を持った重要な経済的パートナーだ」とも指摘。EUや加盟国には「台湾との協力を深める意向がある」と説明した。
EUの声明によると会談では、中国の新疆ウイグル自治区や香港の現状も議論。ボレル氏は人権重視の立場を示し、EUと中国の人権対話再開の必要性を訴えた。
EUは今月16日に公表したインド太平洋戦略に台湾との貿易・投資関係強化を明記。日本や韓国などとのデジタル分野での連携推進も盛り込んだ。中国けん制の狙いがあるとみられている。ただ、ボレル氏は戦略の「包括性や協力的なアプローチ」を強調。中国との対決姿勢をあらわにする米国とは一線を画した。(ブリュッセル時事)