ホンダ、メキシコで2カ所目の新車両工場を稼働


世界戦略車「フィット」を生産、北米で小型車を自給自足

ホンダ、メキシコで2カ所目の新車両工場を稼働

メキシコ中部セラヤで21日稼働したホンダの新車両工場(ホンダ提供・時事)

 ホンダは21日、メキシコで2カ所目の車両生産拠点となるセラヤ工場を稼働させた。北米向けに世界戦略車「フィット」などの小型車を生産。これまで北米では主に日本から輸入していたが、小型車は利幅が薄く採算が厳しい。人件費が安く関税も有利なメキシコで生産し、価格競争力を高めて販売拡大につなげる構えだ。

 この日の記念式典には、伊東孝紳社長のほか、メキシコ政府の要人が出席。伊東社長は「世界の顧客に最高品質の商品を手頃な価格で提供する」と意気込みを語った。

 投資額は約8億ドル(約820億円)。3200人を雇用する。生産能力は年20万台。これにより、米国とカナダを含む北米8工場全体では年192万台規模に拡大。ホンダが米国で販売する車の95%以上が北米で生産されるほか、北米からの輸出も日本からの輸入を上回り、北米地域での自給自足をほぼ達成する見通しだ。

 メキシコでは昨秋から今年にかけて、日産自動車とマツダも新工場を稼働させた。メキシコは労働コストが安く、巨大市場である米国にも近い。40カ国以上との自由貿易協定によって輸出の際の関税も軽減されるため、世界の自動車・部品メーカーが投資を拡大している。(セラヤ〈メキシコ中部〉時事)