任期満了まで3カ月、与野党が衆院選準備を加速


パラリンピック閉幕直後にも解散か、事実上の臨戦態勢に

任期満了まで3カ月、与野党が衆院選準備を加速

次期衆院選の選挙対策本部の看板掛けを行い、ガッツポーズする公明党の山口那津男代表(右)=21日午前、公明党本部(時事)

 10月21日の衆院議員任期満了まで3カ月となり、与野党は選挙準備を加速させた。菅義偉首相(自民党総裁)は9月5日の東京パラリンピック閉幕直後にも衆院解散に踏み切るとみられており、各党は事実上の臨戦態勢に入りつつある。新型コロナウイルス感染拡大で活動が制約される中、党勢拡大に全力を挙げる。

 首相は21日、先の兵庫県知事選で自民党などの推薦で初当選した斎藤元彦元大阪府財政課長と首相官邸で会談し、連携を確認した。菅政権の下、国政選挙や主な地方選挙で負け続きの自民党にとって、同知事選は「久々の勝利」(幹部)。衆院選へ「弾み」(山口泰明選対委員長)にしたいとの思いがにじむ。

 自民党は20日に全国の地方組織幹部との会議を1カ月計画でスタート。第1弾となった関東都県連との会議では、小野寺五典組織運動本部長が「わが党には厳しい風が吹いている。逆風に耐え抜くには、党員の総力を結集することが必要になる」と檄(げき)を飛ばした。

 公明党は21日、党本部で選対本部の看板掛けを行った。山口那津男代表はこの後の中央幹事会で「私自身が先頭に立って勝利に向けて全力で頑張っていく決意だ」と表明。幹事会では候補者を擁立する全9小選挙区での勝利と、比例代表での得票800万票を目指すことを確認した。

 立憲民主党は全国幹事長・選挙責任者会議をオンラインで開き、候補者の上積みに全力を挙げることを確認した。枝野幸男代表は「感染症危機の解決は政治を変えるところからスタートする」と政権交代への決意を重ねて示し、「相手が防戦一方の今こそ、持ち得る全ての力を集中して総選挙対策を展開する」と宣言した。

 共産党の小池晃書記局長は20日に開いた全国都道府県委員長会議で「国民の中には菅政権への怨嗟(えんさ)の声が広がっている。菅政権を倒し、政権交代を勝ち取り、野党連合政権をどうしてもつくらなければならない」と訴え、候補者一本化が課題となる立民との協議を急ぐ考えを示した。