雨模様の日が多いので、そろそろと思って…


 雨模様の日が多いので、そろそろと思っているのに、なかなか宣言されない関東甲信地方の梅雨入り。既になされた近畿、東海地方の宣言から足踏み状態だ。気象庁などの予想では、関東甲信は6月上旬になりそうだが、それでも気がもめることである。

 梅雨が待ち遠しいわけではないが、この時期に咲くアジサイの花には思い入れがある。特に、通勤に使っている京王井の頭沿線に咲くアジサイは桜の次に待ち遠しい花だ。

 緑から青、ピンクなどへの色の移り変わりは、目を楽しませるだけではなく疲れ切った心を癒やしてくれる。アジサイが植えられるようになったのは、乗客への配慮とともに、雨による土砂災害を防ぐ意味もあるようだ。

 アジサイの花言葉は「移り気」「冷淡」「辛抱強さ」「冷酷」「無情」「高慢」などがある。あまりいいイメージを与えないものが多いが、これはアジサイの青色や色彩の変化が人間の心変わりなどを連想させるからだろう。

 考古学者で博学な樋口清之博士の『自然と日本人』によれば、花言葉は明治時代に西洋からもたらされ、日本に合わないのがあるのに、都合よく解釈されたものが少なくない。

 例えば、従来クロユリは不吉とされてきたが、「あなたにほほ笑む」という愛情の花言葉になった。それは、豊臣秀吉の妻の淀君が茶会のために取り寄せたからだという。花言葉はそれを見る人間側に問題があるということ。もちろん、花には何の罪はない。