1年の3分の1に当たる4月末までの交通事故…
1年の3分の1に当たる4月末までの交通事故による死者数は813人(警察庁発表速報値)となった。これは統計が残る昭和23(1948)年以降で初めて年間死者数が3000人を下回る2839人となった昨年同期の961人より148人(15・4%)減となる。
2016~20年度を期間とする第10次交通安全基本計画で、政府は20年までに年間死者数を2500人以下とする目標を立てた。しかし、残念ながら達成はかなわなかった。
新たに21~25年度に2000人以下とする目標を盛り込んだ第11次計画がスタートした。2000人以下を達成するために、まず今年は何としても第10次計画で積み残した目標2500人以下を達成したい。
4カ月で昨年比148人減は、年間では単純計算で444人減に相当する。昨年は2500人を339人オーバーしたのだから、目標をクリアする可能性は十分にあると言えよう。
148人減という数字を管区別で分析してみると、減少に貢献したのは東北(33人減)、関東(33人減)、中部(49人減)、九州(30人減)の四つの管区。あとの管区は昨年とほぼ同数である。
特に昨年全国ワーストとなった東京都(4人減の44人)、大阪府を含む近畿(1人増の132人)などの横ばいが今後に課題を残している。新型コロナウイルス禍への対応で、電車やバスの代わりにバイクを利用する人が増えたことと死者数押し上げの関連が指摘されている。