日本国際賞、光通信レーザーの末松安晴氏に
遺伝子制御のデビッド・アリス教授も
国際科学技術財団は29日、2014年の日本国際賞を大容量・長距離の光ファイバー通信に不可欠な半導体レーザーを開発した末松安晴東京工業大元学長(81)と、遺伝子の働きを制御する仕組みを発見したデビッド・アリス米ロックフェラー大教授(62)に授与すると発表した。
末松氏は東工大教授だった1981年、光ファイバー内での減衰が少なく、情報を安定して送れる「動的単一モードレーザー」を開発し、大陸間の大容量通信やインターネットの基礎を築いた。東工大のほか高知工科大の学長、国立情報学研究所長を歴任し、03年に文化功労者に選ばれた。
末松氏は記者会見で「革新的な技術が世の中に浸透するには半世紀に及ぶ年月を要すると、身をもって実感した」と話した。
アリス氏はDNAが巻き付いている「ヒストン」と呼ばれるたんぱく質の化学的な変化により、遺伝子の働きが制御されることを発見。がん治療薬の開発や人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの幹細胞研究に貢献した。
授賞式は4月23日に都内で開かれ、両氏に賞金が5000万円ずつ贈られる。