バイオリニスト五嶋みどりさん、グラミー賞獲得
バイオリン協奏曲、ソリストとして演奏に参加
米音楽界最高の栄誉、第56回グラミー賞の授賞式が26日午後(日本時間27日午前)、当地で始まり、日本人バイオリニストの五嶋みどりさん(42)が参加したアルバムが最優秀クラシック・コンペンディアム賞を受賞した。
受賞対象となったのはクリストフ・エッシェンバッハ指揮の北ドイツ放送交響楽団と共演した「パウル・ヒンデミット 作品集」。五嶋さんはソリストとしてバイオリン協奏曲を演奏している。
受賞を受け、五嶋さんは「大変うれしい。ヒンデミット没後50年を記念した作品集で、今後、彼の作品や人間性への理解が深まることを願っています」とのコメントを発表した。
同賞は昨年新設され、クラシック系音楽でソロやアンサンブルによる歌や演奏を収録したコレクション・アルバムが対象。
五嶋さんは大阪府出身。1982年、ニューヨーク・フィルとの共演でデビュー後、米国を拠点に国際舞台で活躍。バーンスタイン、小澤征爾ら世界的な指揮者や音楽家と共演している。現在は南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校で弦楽学部長を務めるとともに、子供に音楽に触れてもらうNPO法人「ミュージック・シェアリング」などの社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。2007年から国連平和大使。
今回、日本人ではシンセサイザー奏者、喜多郎さん(60)と元外交官の音楽プロデューサー、阿曽沼和彦さん(56)の作品もノミネートされていたが、共に受賞を逃した。
主要4部門のうち、最優秀新人賞はデビューアルバム「ザ・ハイスト」が大ヒットした米ヒップホップデュオ「マックルモア&ライアン・ルイス」に贈られた。(ロサンゼルス時事)