視覚実験で検証、見ている世界はイルカも同じ?


京都大霊長類研究所と名古屋港水族館が共同研究

視覚実験で検証、見ている世界はイルカも同じ?

最初に示した図形(四角)と同じ図形を選ぶバンドウイルカ(名古屋港水族館提供)

 超音波を使って周囲の状況を把握するといわれるイルカも、ヒトなどと類似した視覚能力を持っている可能性の高いことが、京都大霊長類研究所の友永雅己准教授と名古屋港水族館の共同研究で分かった。成果は16日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 イルカの視力は0・08程度とされるが、水族館で飼育されているイルカは空中に投げられた円盤遊具をキャッチしたり、イルカ同士でキャッチボールしたりすることができる。

 共同研究では丸やバツ、三角など、9種類の図形を用い、最初に示した図形と同じものを二つのうちから選ばせる実験を、同水族館の3頭のバンドウイルカと同研究所の7匹のチンパンジーを訓練した上で行った。結果は、イルカの正答率が84・0%。チンパンジーは92・0%だった。

 イルカ、チンパンジーとも丸とD型、四角など形の似ているものは間違える頻度が高かった。友永准教授は「イルカもヒトやチンパンジーと見え方が同じ可能性が高い」と話している。