きょうからレジ袋の有料化がスタートする…


 きょうからレジ袋の有料化がスタートする。先行して有料化を始めていたスーパーなどもあったが、海外に比べるとかなり遅いスタートとなった。

 日本人の尻を叩(たた)いたのは、海洋プラスチックごみ問題への危機感の高まりと思われる。このまま海洋プラごみが増え続けると、海洋生物にも大きな影響を与えかねないという現実は、世界一の魚食文化国の日本人には切実な問題だ。新鮮な魚介類に舌鼓などというグルメ番組も作れなくなる。

 海に漂うプラスチック製の袋を、餌のクラゲと間違えてのみ込んで死んでしまったウミガメの写真を見たことがある。ウミガメに謝りたい気持ちになった。

 レジ袋だけではない。ペットボトルなども海に漂ううちに日光や波浪などで小さく砕かれ、マイクロプラスチックとなってしまう。

 その中であまり知られていないけれど、小さくないものに被覆肥料の殻がある。被覆肥料とは、作物の生育に合わせて肥料成分が少しずつ溶け出すように、ポリエチレンなどのプラスチックでコーティングしたもの。その殻が田んぼや畑から海にまで流れ出しているのだ。このことは、伊勢湾岸で産卵するアカウミガメの保護活動をしているウミガメネットワークの代表、米川弥寿代さんに教わった。

 レジ袋も登場した時は便利さが歓迎された。被覆肥料も人手不足の農家には便利な肥料だが、大きな落とし穴があった。今は便利さの落とし穴を一つ一つ埋めていく時である。