41歳葛西紀明に驚きと称賛
10季ぶり優勝に欧州で関心高まる
11日のノルディックスキー・ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子の個人第13戦フライングヒルで、41歳の葛西紀明(土屋ホーム)がW杯史上最年長優勝記録を更新した。10季ぶりの勝利を飾ったベテランに、ジャンプの盛んな欧州では高い関心が集まっている。
多くの選手が伸び悩む中、葛西は2回目でヒルサイズに迫る197メートル。飛型点でもただ一人20点満点をたたき出す完璧な内容で圧勝した。W杯歴代最多52勝のグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)が真っ先に駆け寄って帽子を取ってお辞儀。トップ選手が次々と祝福に続いた。地元びいきの5万人の観衆からは大歓声。ドラマチックな光景だった。
ジャンプ王国オーストリアの各メディアは、快挙を大きく報道。シュリーレンツァウアーの「40歳を超えて技術があれば勝てるということを示した。最高の敬意に値する」との談話を紹介した。33歳のウォルフガング・ロイツルは「ここ数シーズンは技術的に問題があったのに、再び世界のトップに返り咲いたことに感嘆する。『まだ葛西が飛んでいる』と笑っていた選手たちを、今は葛西が笑ってるよ」と話し、刺激を受けている様子だ。自分を信じて突き進む葛西には既に「レジェンド(伝説)」の称号もある。高い評価は不動のものになった。(バートミッテルンドルフ〈オーストリア〉時事)