3Dプリンター、来場客の熱い視線
チョコも「印刷」、米家電見本市で
当地で開催中の米家電見本市「国際CES」では、パソコンなどでデザインした立体の造形物を作製できる「3D(3次元)プリンター」に来場客の熱い視線が注がれている。会場には3Dプリンターをテーマとしたコーナーが初めて設置され、最新技術を競い合った。
世界市場をリードする米3Dシステムズは、チョコレートや砂糖を原料に好きな形のお菓子を作ることができるユニークなプリンターを披露。食品業界での利用を想定し、5000ドル(50万円強)以下で今年後半に発売する。
成形に樹脂などを使う一般的なプリンターの低価格化も進んでいる。台湾のXYZプリンティングは499ドルの機種を発表。家庭への普及を狙っている。仏スカルプテオは3Dプリンターを使った製作を受注する事業を展開。「受注は好調で、日本などアジア展開も考えたい」と意気込む。
米国では3Dプリンターを宇宙船に持ち込み、宇宙空間で生活に必要な物資を製造するなどの研究も活発化。住宅建材など幅広い分野での活用が期待され、「新たな産業革命をもたらす」との声も出ている。
米調査会社IDCによると、コニカミノルタや米ヒューレット・パッカード(HP)など大手も参入を準備。世界市場規模は2017年に27億ドル(約2800億円)まで拡大する見通し。(ラスベガス時事)