金正恩氏、笑顔で文大統領と握手
北トップ、韓国の地を初めて踏む
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日午前、この日開かれる第3回南北首脳会談に出席するため韓国との軍事境界線上にある板門店に姿を現し、韓国の文在寅大統領と握手を交わした後、韓国側に徒歩で入った。朝鮮戦争(1950~53年)で南北分断が固定化して以降、北朝鮮のトップが韓国の地を踏むのはこれが初めて。
金正恩氏は板門店の北側施設「板門閣」のドアを開いて階段を降り、軍事境界線を挟んで文大統領と握手した。2人は笑顔で言葉を交わし、金正恩氏が境界線を越えて南側に入り写真撮影に応じたが、その後、文大統領の手を携えて境界線を越え、再び北側に戻る場面もあった。
金氏は任鍾晳青瓦台(大統領府)秘書室長ら韓国側随行員7人と握手を交わし、その後、文大統領が金氏の妹、金与正党第一副部長ら北朝鮮側随行員9人と握手を交わした。儀仗隊による栄誉礼を受ける際、与正氏と「影の実力者」とみられる金昌善・書記室長の2人が金氏の近くを歩いた。
その後、金正恩氏は南側施設「平和の家」で芳名録に署名。階段の上り下りなどで息を切らしている様子も確認された。
(高陽(韓国北西部)上田勇実)