ケネディ新大使が被災地・宮城県を初訪問


石巻市で児童らと交流、宮城知事を表敬訪問

ケネディ新大使が被災地・宮城県を初訪問

宮城県石巻市の万石浦小学校を訪問し、「友」の書を手に笑顔を見せるケネディ駐日米大使(右)=25日午後(代表撮影)

 キャロライン・ケネディ駐日米大使は25日、東日本大震災の被災地である宮城県を訪問した。午前に県庁を、午後には石巻市の小学校などを訪れ児童らと交流した。大使就任後に被災地入りするのは初めて。

 県庁に村井嘉浩知事を表敬訪問したケネディ大使は同知事と約20分会談し「米国民は被災地の方々が示した勇気、苦難をはね返す力にインスピレーションを受けた。ここに来ることは重要だった」と述べ、米国が東日本大震災の被災地への支援を継続する考えを伝えた。また、被災者の住宅整備などについて村井知事に質問し、熱心に耳を傾けた。

 ケネディ大使は石巻市の日和山公園で亀山紘市長から被災状況などの説明を受けた後、同市立万石浦小学校を訪問。児童らの英語劇を見たり、児童らに本の読み聞かせを行ったりした。

 同校の相澤得郎校長によると、5年生の書道の授業を見学し、児童に教わりながらケネディ大使も「友」の字を書いたほか、27日の大使の誕生日に合わせ児童から誕生日カードと歌が贈られ、大使はとても喜んでいたという。

 同校には震災当時、外国語指導助手(ALT)として勤務し、津波に巻き込まれ亡くなった米国出身のテイラー・アンダーソンさんを記念した文庫がある。ケネディ大使は「テイラーさんをいつまでも忘れないで」と話したという。

 大使は夕方、南三陸町の仮設住宅を訪れた。(時事)