耐えてしのいだ120分、若き日本にたくましさ


延長戦でイランを下す、日本はリオへあと1勝

耐えてしのいだ120分、若き日本にたくましさ

イラン戦の延長後半、立て続けに2ゴールを奪って喜ぶ中島(右)。左は先制ゴールの豊川=22日、ドーハ(時事)

 耐えてしのぎ、最後に強豪イランに引導を渡した。120分の激闘。重ねた我慢は若き日本の成長の証しだ。手倉森監督は「しびれた。じれずに辛抱強くやってくれた」と手をたたいた。

 相手の迫力ある速攻に浮き足立った。後半には、相手のシュートがバーをたたく紙一重の場面もあった。ただ、主将の遠藤に動揺はなかった。「相手の運動量が落ちるという予想があった。失点しないことだけを考えた」

 その言葉通り、延長に入るとイランの動きに切れがなくなり始めた。延長前半6分。途中出場の豊川がDFの背後を取り、室屋の右クロスに頭で合わせて先制。さらに中島の2点で突き放した。

 現チームが発足した2014年のU22アジア選手権とアジア大会では8強止まり。準々決勝は、この世代の鬼門だった。試合前のロッカールームには緊張感も漂ったという。矢島は「苦しい中で勝てたのは、勝負強さみたいなものが付いてきたんだと思う」と胸を張る。

 一つの大きな壁を破った。しかし、次こそが世界の扉を開くための大一番。好守で支えたGK櫛引は「次も勝たないと、やってきたことの意味がなくなる」と語気を強めた。「おとなしい世代」と言われるチームに、たくましさが備わってきた。(ドーハ時事)