北海道新幹線、「開業効果」の再来に期待


旅行各社が周遊ツアーを次々と企画、魅力をアピール

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新函館北斗駅と木古内駅間を試験走行する北海道新幹線のH5系車両=北海道北斗市

 JTBなど旅行会社大手が、3月26日に開業する北海道新幹線を組み込んだ周遊ツアーを次々と企画し、新たな旅行需要の取り込みを図っている。旅行客数がほぼ倍増し想定を大幅に上回った「北陸新幹線の延伸開業効果」の再来に期待をかけ、さまざまな工夫を凝らして魅力をアピールする。

 函館などを訪れる北海道観光は飛行機の利用がほとんどだった。北海道新幹線は東京-新函館北斗間を最短4時間2分で結び、料金は2万2690円。飛行機でなく新幹線を選ぶ分岐点と言われる「4時間の壁」は切れなかったが、料金は、羽田-函館間の航空大手の正規運賃より1万円強低い水準に抑えた。

 旅行各社は、新青森-新函館北斗間を約1時間で結ぶ利便性に着目し、これまでほとんど設定がなかった函館と青森周辺を組み合わせた商品を開発した。JTBと阪急交通社は、桜の名所である秋田県の角館、青森県の弘前公園、函館の五稜郭を巡る商品を企画。日本旅行は函館と青森の新鮮な海産物を食べ歩くコースを設定した。阪急交通社は、新幹線が北海道から九州までつながることに着目し、北海道発で新幹線を乗り継ぎ、鹿児島を訪れる観光ツアーも投入する。

 ただ北海道新幹線については、北陸の中心都市の金沢までつながり、明るいムードに包まれた北陸新幹線とは状況が異なるとの指摘もある。新函館北斗駅が函館市の中心街から離れている上、札幌への延伸が15年後の予定であるため、「マイナスイメージが先行している」(日本旅行業協会の田川博己会長JTB会長)という。

 また、旅行各社が商品企画で頭を悩ませるのは、他の新幹線に比べ運賃が高い点。北海道新幹線は青函トンネルを利用するため、東京からの距離がほぼ同じ広島と比べ3割近く割高だ。JTBは、宿泊をセットにした一部の周遊ツアーの料金を、新幹線の往復運賃よりも安く設定。値頃感を打ち出し、北海道新幹線の利用を促そうとしている。