王者対決「無敵ソフトバンク」誇示、投打に圧倒
7度目の頂点、球団初のシリーズ2連覇
ソフトバンクが力の差を見せつけて、頂点に上り詰めた。リーグ王者同士の対決を制し、球団史上初の2年連続日本一。リーグ優勝、クライマックスシリーズに続いて9度宙を舞った工藤監督は、「感無量。選手が絶対に負けないという気持ちを出してくれた」。
試合前、監督が「普段通りにやる」と話していた通り、この日も力を示してヤクルトを押し切った。
四回に李大浩が左翼ポール際に先制2ランを放ち、五回にはシリーズに入って2番で起用され続けた明石の適時打などで2点を追加。投げてもスタンリッジから七回以降は森、バリオス、サファテの完封リレーで抑えた。監督は「(シリーズ前に)一つも負けるつもりはないと言って、それを選手が信じてくれた」と感謝した。
第3戦では山田の3連発という記録的な活躍の前に1敗を喫した。しかし、工藤監督は「3連発なんて誰も予想していない」。選手の気持ちをすぐに切り替えさせた。山田対策は見直したが、ナインの士気が下がることはなかった。
第4戦では摂津らが山田を沈黙させ、この日もスタンリッジが3打数無安打に封じた。データとそれを生かす個の力。4番内川を欠いていても、ソフトバンクが上回っていた。
レギュラーシーズンも6月から独走し、パ・リーグの全球団に勝ち越し。ソフトバンクを脅かすチームは最後まで現れなかった。昨年の日本一に慢心せず、監督が「向上心を持って選手がやってくれた」と振り返ったシーズン。最後の試合もその言葉通りだった。