北海道アポイ岳、世界ジオパークに認定


国内で8件目、伊豆半島は選ばれず

北海道アポイ岳、世界ジオパークに認定

世界ジオパークに認定されたアポイ岳(右端の一番高い山)(北海道様似町提供)

 世界的に貴重な地質や地形がある地域を認定する国際機関「世界ジオパークネットワーク」(GGN)は19日、鳥取市で開かれた会議で、北海道様似町のアポイ岳を世界ジオパークに選んだ。国内地域の認定は、昨年の熊本県・阿蘇に続いて8件目。同時に申請していた静岡県の伊豆半島は認定されなかった。

 世界ジオパークは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が支援しており、GGNの審査で加盟が認められた地域が認定される。

 アポイ岳、伊豆半島の両地域は、それぞれ地元自治体や観光協会などが推進協議会を設立するなどし、認定を目指して取り組みを進めてきた。国内機関「日本ジオパーク委員会」の推薦を受け、それぞれの推進協議会が昨年12月、GGNに加盟を申請していた。

 アポイ岳は、マントル上部を構成するかんらん岩が地上で観察でき、高山植物が豊富なことでも有名。アポイ岳は2008年に、伊豆半島は12年に日本ジオパークに認定されている。

 国内ではこれまでに、洞爺湖有珠山(北海道)▽糸魚川(新潟県)▽山陰海岸(京都府、兵庫県、鳥取県)▽隠岐諸島(島根県)▽室戸(高知県)▽島原半島(長崎県)▽阿蘇(熊本県)-の7カ所が世界ジオパークに認定されている。

 認定を受け、北海道様似町の坂下一幸町長は鳥取市内で「本当にうれしく思う。産業界と協議し、小さい町ゆえにできる取り組みを進めたい」と話した。一方、静岡県の川勝平太知事は「残念ながら入らなかった。もう一度鉢巻きを締め直し一緒にやりましょう」と関係者に呼び掛けた。